日本から広まった紫陽花

文化

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 梅雨の時期は外出が少しおっくうですが、道端に咲いている紫陽花を見るとこの時期ならではの楽しみだったと思い出します。きれいな花はたくさんあるけれど、紫陽花の美しさと風情は他にはない魅力だと感じます。

 江戸時代、紫陽花はドイツ生まれの医師で博物学者のシーボルトも魅了しました。出島商館医として長崎に来ていたシーボルトは、西洋医学を日本に伝える役目を果たしながら自然科学にも高い関心を持ち、日本の植物をヨーロッパに広めたことでも知られています。これにより原種のガクアジサイの品種改良が西洋で盛んに行われ、大正時代頃に日本に逆輸入されるようになったようです。紫陽花は現在も世界中で新品種が生み出され、その数は2000種類以上とも言われています。

紫陽花の代表的な品種

額紫陽花(がくあじさい)日本の原種。小さな蕾のように見える両性花(雄しべと雌しべをもつ花)の集まりが中央にあり、そのまわりを、花びらのように見える装飾花(発達した萼)が、額縁のように囲んでいます。
紫陽花(あじさい)
※別名:本紫陽花(ほんあじさい)
「額紫陽花(がくあじさい)」を日本で品種改良したもの。多くの日本人が紫陽花と聞いて思い浮かべるのはこの種類だと思います。装飾花が花序の大部分に丸く固まって咲く、「手毬咲き(てまりざき)」と呼ばれる咲き方をします。西洋で品種改良した「西洋紫陽花(せいようあじさい)」と区別するために「本紫陽花(ほんあじさい)」とも呼ばれます。
西洋紫陽花(せいようあじさい)
※別名:ハイドランジア
「額紫陽花(がくあじさい)」を西洋で品種改良したもの。豪華で華やかな印象のものが多く見られます。北アメリカ原産の「アナベル※別名:アメリカ紫陽花)」などが有名。
山紫陽花(やまあじさい)関東以西の本州太平洋側、四国、九州に多く自生する野生種の紫陽花。「額紫陽花(がくあじさい)」に似ていますが、小ぶりで素朴な印象。
柏葉紫陽花(かしわばあじさい)北アメリカ原産。柏の葉のような形の大きな葉で、花がブドウの房状に咲きます。
雪のように白い花をつける「スノー・クイーン」や「スノーフレーク」などが有名。

●関東近郊 紫陽花の名所

【東京】
上野恩賜公園(上野)
浜離宮恩賜庭園(浜離宮)
小岩菖蒲園(北小岩)
あじさい公園(小平)
白山神社(白山)
高幡不動尊金剛寺(日野)
南沢あじさい山(あきる野)

【神奈川】
明月院(鎌倉)
長谷寺(鎌倉)
箱根登山鉄道(箱根)
箱根ガラスの森美術館(箱根)
あじさいの里(開成町)

【千葉】
本土寺(松戸)
マザー牧場(富津)
服部農園あじさい屋敷(茂原)

【埼玉】
あじさい街道(越生)
美の山公園(秩父市)

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